オタク

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姉に物凄く熱く語られたが、自分の中で今の自分を決定的に変える勇気が出てこなかった。 しかし、真田雄大が日々イジメられていることも事実、現在進行形であった。 小休憩時間。 僕はトイレに行き、用を足して教室に戻ってきた。 真田雄大が僕の肩をトントンと叩くと突然 「キスしてもいい?」 と言ってきた。 僕は思考回路が回るはずなく、フリーズした。 教室のど真ん前、席に座る直前、真田雄大が、僕に近づいて、唇が触れるだけの軽いキスをした。 それを目の当たりにした女子が「きゃー!」だの「わー!」だの奇声を上げて騒ぎ立てた。 いじめっ子グループが腹を抱えて笑い転げていた。 「山本…本当に、ごめん…」 真田雄大は蚊の鳴くような声で謝ると肩をすくめ、俯いて席に着いた。 僕は、 僕は… その瞬間に彼のために出来ることをしようと決めた。 と、同時に、「好きだ」というスイッチが入った。 決めた!真田雄大のスパダリになる!! (スーパーダーリンの略)
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