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「ほら、よくあるじゃない?
古い家を腕利きの建築士がキレーイにするでしょ?」
「はい?」
姉が僕を連れてきたのはお洒落な、自分一人では絶対に入れない美容室だった。
「友達が働いてんの。アンタを今からイケメンにする。」
姉に言われるがまま髪型を変えた。
10年くらいは隠していた目を晒した。
姉「我が弟ながら、イケメンになったんじゃないの?」
美容師「弟ちゃんイケメンなんじゃんー!なんで今まで顔隠してたのー!?」
僕「….…目、キツくない?睨んでると思われないかな。」
姉「思わないわよ。アンタが睨もうと思わなければね。」
なるほど。
僕次第だったってことか。
コンプレックスだと思ってた目はあっさり周りに受け入れられた。
美容師「少しゆるくパーマかけてもいい?なんならカラーしちゃう?」
僕「イケメンになるならなんでも!」
姉「お!遂にイケメンになる気になったな!」
俄然やる気が出てきた。
姉「次は服屋に行くよ!」
僕「別に、服はいらないけど…学校は制服だし…」
姉「馬鹿か!!普段着からオシャレにして内側からイケメンになんのよ!」
姉の熱におされ、これまたお洒落なショップブランドに行き、洋服を買わせられた。
僕「金が…金がなくなる…」
姉「お洒落はね!タダじゃないのよ!」
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