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そして、俺は山本に嫌われた。
「山本…本当に、ごめん…」
もう、山本の顔なんて見れなかった。
心臓がドキドキして、恥ずかしくて、顔があつくて顔があげられなかった。
河野や、クラスのみんなの笑い声が呪いみたいに俺の身体を動けなくしていた。
週明けの朝、月曜日。
俺は学校に行きたくなかった。
クラスのみんなからは疎外されるだろうし、山本だって、今まで以上に俺に関わらないようにするんだろうな。
いつもなら家を出ていなくてはいけない時間になっても、俺は布団の中から出なかった。
コンコン…
「どうしたの?具合悪いの?」
母さんが部屋のドアを開けて声かけてきた。
「んー、頭痛くて…」
本当は頭なんて痛くない。
「そう?なんか友達が迎えに来てるんだけど…帰ってもらう?」
「えっ、誰?」
「見かけたことないのよね…すっごく男前なんだけど、同じクラス?の子?」
誰だ?
「…河野かな?」
「うーん、翔太くんでしょ?なんか背が高いよ?翔太くんてあんたと同じくらいじゃないっけ?」
「うーん。誰だろ…」
まさか、山本が来るなんてことはあり得ないだろうし。
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