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「…というか、雄大、あんた仮病でしょ!起きなさい!友達にも上がって待っててもらうから!」
「えーっ!」
誰だか分からんのに上がってもらうなんて…
母さんが玄関に戻って“誰か”を家に招き入れた。
「ごめんなさいねー、今準備してるから少し待ってね!」
「…すみません。朝のお忙しい時間に…」
パジャマのまま階段を少し降りると玄関から家に入って来たのは…
「おはよう。今起きたの?」
背が高くて、猫背…じゃないけど、声ですぐにわかった。
「山本!!???なんで…!?ていうか、髪とか、え!?どうしたの?!」
「パニクりすぎでしょ。着替えてきなよ。」
「ぇえ、あ、うん、ごめん!」
顔を洗いに洗面所に駆け込んだ。
自分の髪が寝癖で爆発しているのに気付いて慌てて髪を整えた。
「雄大!母さん、先に出るからね!明人くん!ゆっくりしていってね!またいつでもきてね!」
「はい、ありがとうございます。お母さん。」
『明人くん』!?
俺だって一度も下の名前で呼んだことないのに。
しかも、山本も『お母さん』なんて言うような前向きなキャラじゃないだろ!?
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