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2年3組。
ここは僕の在籍しているクラスだ。
僕は山本明人(やまもと あきと)17歳。
目は昔から悪くて酷いつり目だ。
昔、父親に「生意気な目をしやがって」と暴言を吐かれてから、この忌々しい目は長い前髪で隠していた。
教室の席は一番前の中央ど真ん中。
この席はとても安心できる。
何故ならば、子供くさい友達ごっこをしている女子や、乳ばなれさえ出来ていないんではないかと思うような男子のくだらない『輪』に入らなくて済むからだ。
席替えがあっても、この席だけは最初から除外してもらって僕はここに居座らせてもらっている。
「先生、
俺も目悪いから、山本くんの隣にしてください。」
ある学期はじめの席替えで、とんだ注文を飛ばした男子がいた。
彼の名前は真田雄大(さなだ ゆうだい)。
クラスの人気者グループに属してる男なのに、割と大人しくて頭も良く、運動もできる。
話を戻すが、僕の隣の席に座りたがる奴なんて男女ともに皆無だった。
くじをひいて隣になった日には、「うぇ~」「最悪!やり直して!」なんて言われる始末だ。
そんな状況を先生も知っているから、彼の申し出はすんなりと通された。
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