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準備が整ってリビングに入ると、山本が綺麗な姿勢で、長い脚を組んで母さんの淹れたコーヒーを飲んでいた。
「準備できた?もう、遅刻だよ?」
「あぁ、ごめん。
…それより、どうしたの?何故迎えに来たの?
それに、山本、こんなキャラだっけ?」
山本明人はコーヒーを大きく一口のんだ。
「僕は、君の…真田雄大のために変わることにした、いや、変わらざるおえなかったんだ。」
「え?俺?なんで…」
「君を守りたいから。」
山本明人が今まで一度も合わせてくれなかった目を、一生分くらい合わせてくれた。
「え…」
「僕が君を守るから。」
スッと立ち上がると「ご馳走様でした」と丁寧にマグカップを台所まで運んでカバンを持って、玄関に向かった。
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