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席をみんながガタガタとずらして、新たな席に移動した。
「山本、よろしくな。」
スッと手を差し伸べて握手を求めてきた。
今どき、手を差し伸べて「よろしく」なんて言う奴いないだろ、と握手をし返さないで「どうも…」と浅く頭を下げた。
彼は少し変わっていた。
数学の授業前、教科書を机の上に用意してたように見えたのに、「教科書を忘れた。」と言って僕の教科書を見せて欲しいと頼んできたり、どう見ても僕側に落ちた僕の消しゴムをわざわざ手を伸ばして拾って渡してくれたり。
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