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ベンチに腰掛けるや否や
「で?やっぱり、君たち付き合ってるの?」
「どぉうえ!?なんすか、そう言う話しですか!?」
「え?ちがうの?」
「いや、いやっていうか、その、うーん…」
「山本くんが君を好きなんでしょ?見てればわかる。…はぁー、」
その人は少し深めのため息をした。
「…どうしたらいいか、わからないんです。好きだけど、そういう好きっていうのとは違うっていうか…」
「ふーん。じゃあさ、距離置いてみたらいいんじゃない?
そうすれば、君にとって山本くんが必要か、不必要かわかるんじゃない?」
「ふひつよう…て、」
「君は、たぶん今は彼の想いから逃げたいんでしょ?」
「…」
「それってつまり、不必要ってことだよ。
…私からしたら、そんな気持ちで彼の横に張り付かれてたら邪魔ったらないよ。」
「…すみません。」
「…あ、私なんか、ごめん。こんなこと言うつもりなかったのに…、ごめんね、じゃあ、私帰るわ…」
先輩の言葉にズシリと重みを感じた。
痛いくらい本音で、素直な気持ちなんだろう。
俺は、明人のためにも俺のためにもきちんと考えなくちゃいけない。
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