TKG~時をかけるゴリラ~

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TKG~時をかけるゴリラ~

 これは一匹のゴリラ……いや、偉大なボスゴリラの時空を旅した物語である。  TKG~時をかけるゴリラ~  ガラガラ。  教室のドアが勢いよく開く。 「モグモグ……。よぉし、じゃあ道徳の授業を始めるぞー」  上下黒のジャージに、インナーは白のタンクトップ。そのタンクトップの胸元からは漢らしい胸毛が大量に顔を出している。如何にも熱血教師というような風貌のこの男は、エブリスタ小学校六年三組の担任坂口(さかぐち)マイケルだ。  濃ゆい顔で今日もバナナを頬張っての登場。教師としてはあるまじき姿だったが、彼の圧倒的なカリスマ性はそんな愚行すら許される程のものだった。 「起立、気をつけ、礼。着席」  日直の号令に合わせて、生徒達が椅子に腰を下ろす。 「いやぁやっぱり朝飯はバナナに限るよなぁ! 本当美味いわぁ! なぁ田辺(たなべ)。お前も食うか?」  坂口が一番前の席に座る坊主頭の田辺少年に、糖度四十を誇るプレミアムバナナを一本差し出す。 「先生、食べていいの?」  少し戸惑う田辺少年。 「いいに決まってるウホッ! 糖分は頭の栄養だウホッ」  やけに上手いゴリラのモノマネにクラスの生徒達は手を叩き大爆笑。  田辺少年も笑いながらバナナを受け取り、美味しそうにそれを頬張った。  その姿を見た他の生徒達は 「田辺ばっかりずるーい」     
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