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「大丈夫だ時尾。ゴリラ達はみんな無事だ。さっきの話には続きがあってだな、あのあとリーダーのゴリラはタイムリープを何回も何回も繰り返すんだ。仲間を救えるまでな。そして十回目、ようやく皮をむいて食べるというところに辿り着いた。その結果な、栄養失調で命を落としそうだった小さなゴリラ達が、何頭も救われたんだ。誰かを思う気持ちってのはな、種族を超え、言葉を超え、そして時間さえも超えて、胸にちゃーんと届くんだよ」
そう言って坂口の大きくてゴツゴツした手が、かけ子の頭を撫でた。
その瞬間、かけ子が必死に堰き止めていたダムは一気に決壊した。
次々と流れ出る涙の小便を、彼は黒い毛に覆われた指で拭った。
そして耳元で
「ウホッウホホ」と囁いた。
その聞き覚えのある懐かしいゴリラ語を聞いて、ハッと顔を上げたかけ子。
だがそこには坂口の姿もリーダーゴリラの姿もなかった。
そしてそれ以降、エブリスタ小学校で坂口マイケルという教師を見たものは誰もいなかった。
完
☆☆☆
六年三組、道徳のテスト。
TKG~時をかけるゴリラ~
※本文を見直さないでお答えください。
各1点
問一
崖の上から飛び降りたリーダーゴリラ。彼が飛び降りた際に強く願ったこととは何か。次の四つの中から一つ選びなさい。
①山賊王に俺はなる!
②死にたくない死にたくない!
③全身脱毛したぁい!
④こんな結末は絶対に嫌だ!
問二
リーダーゴリラの特殊な形状をしたアーナルドシュワルツェネッガーが奏でる音色は一部のゴリラ達からはゴリラの何と呼ばれていたか次の四つの中から一つ選びなさい。
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