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「ウホッウホホッ」
彼は雄叫びをあげ、仲間達を荒野の崖の上から落としていった。それがこの群れの供養の儀式だった。
数十頭の仲間達を崖から落とす事は、圧倒的な力を持つ群れのリーダーである彼にとっても、大変な重労働である。息を切らしながら、ようやく最後の一頭を落とした。
「ウホッウホホイッ」
最期の言葉を呟き、崖から力無く飛び降りた。
凄いスピードで落ちていく中、彼はこんな結末になってしまった原因をあれこれ考えていた。
そして強く願った。
『こんな結末は絶対に嫌だ!』と。
すると落ちていくスピードが更に増した。グングンスピードを上げ、遂にそのスピードは音や光の速さすら超え、最終的には時間すら超えてしまったのであった。
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