クラスメイトの住む地区に伝わっていた、奇妙な風習とは…?

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事はそれだけでは収まらず、その年のうちに家族全員が変死してしまったそうで、集落で大問題となり、いくら言い含めても子供は好奇心に勝てないからと、十八歳未満の未成年は、九月十五日を挟んだまる一週間、全員が集落の外に出され、親類の家などに預けられて過ごすようになった、という事なんです。 本当かよ、それって聞いたら、先生たちも知ってるからって言うんですよ、そいつ。 まあ実際そいつも、そん時は村に居ないから本当に寺の住職が狂って徘徊しているのかは知らないんだけど、とは言ってましたけどね。 翌年の九月十五日もきちっと休んでましたよ、一週間。 出席を取っている担任の先生も「ああ、××んとこは、あれかぁ」なんて感じで。 もちろん話を耳にした僕は興味深々で、そんな事が本当に起きているのか確かめてみたいとも思ったんですが、軽はずみなマネをして家族を巻き込んでも困るので、取り敢えず止めておきました。 ただ、ある時に、学校の行事で戸籍謄本が必要になって、役所で謄本を取ったら、ウチの母の出身地が、あいつの住んでいる集落の隣だという事が判ったんです。だから母に、あの集落の『風習』って本当なのかと質問しましたら、
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