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このところ、両親ともに仕事が忙しいようだ。今日は夜まで帰らないという。父は乳製品の会社、母はデパート。バレンタインとの関連は分かるだろう。
そんなわけで、今日は妹の詩織と2人で家にいる。詩織は、友達にあげるチョコレートを作るようだ。
詩織は普段、あまり料理をしない。
「大丈夫なん? 俺、手伝おうか」
「猫の手を借りるほど困らないから大丈夫」
バッサリだった。
詩織は棚からボウルを取り出しながら独りごちた。
「あ、夕飯も作らなきゃ」
「買ってこようか?」
「夕飯くらい作るよ。カレーでいい?」
「ああ、いいよ」
任せてしまって大丈夫なのだろうか。でも、どうせ邪魔だと言われるし、放っておこう。
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