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おそらく間取りは自分の部屋とあまり変わらないはずだ。ならば入ってすぐのキッチン、その横にトイレと洗面所と風呂……当たっている。戸はすべて開放されていたのでこの距離でも中を確認できた。誰もいない。
ならば真正面の開いている引き戸の奥にひとつ部屋がある。誰かがいるとしたらきっとそこだろう。人気のない暗闇の中からやはり大きな音がするのだから。
慎重に一歩ずつ奥の部屋へと進む。
私の鼓動はこの異様な物音と重なり合うように激しく乱打していた。もはやどちらがどちらの音なのかもわからない。
そうして部屋の中心まで辿り着いた私は気づいた。やはりこのがらんとした部屋の中には誰もいないということを。いや、自分しかいない。
けれどこの部屋から大きな音がしているのは現実であるということも。
私はこれまでになく焦りだした。
(どこだ?)
(どこからこの音は聞こえる?)
(一体どこなんだ?)
(待て、もっと近い――)
(そう、私の――)
《 こ こ 》
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