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そうなのよね。課長は芸能人並みのイケメンだ。
そもそもそんな人がなんで私とお見合いをしようと思ったのだろう。
それに毎日顔を合わせているのになぜお見合いって形にしたのだろう。
考えれば考えるほどわけがわからなくなる。
だって1週間前の休憩室でのあのやり取り。
あの時既にお見合いすることを課長は知っていたはず。
私って本人を目の前に写真は見てませんなんて言ってしまった。
あれは相当まずかったんだと今頃気がつき血の気が引く。
「てことはだよ。その課長さんは見合いの相手が芽依って事を承知の上でこの話を進めたことになる」
たしかにそういうことになるよ。
「・・ってことはさー単純に考えると課長さんは芽依のことが好きなんじゃないの?」
薫の爆弾発言にビール吹きそうになった。
「な、何言ってんの?冗談やめてよ。どうして課長が私を好きになるの?」
そうよ!そんなはずない。
はっきりいって私はスタイルがずば抜けていいわけでもないし、顔だって地味なつくりで決して目立つタイプじゃない。
それにデパートには私なんかよりずっとずっとスタイルが良くって美人な女性社員がわんさかいる。
そう考えると私をお見合い相手にしたのにはきっとそうしなきゃいけないような理由があったのかもしれない。
恋愛対象が男性だけど知られるのは何かと困るのでカムフラージュのためとか?
有名人とお付き合いしてるけどそれがばれるとやばいからこれまたカモフラージュのためのお見合いとか?
あーどう考えても何か魂胆があるとしか思えない。
すると薫が笑いだした。
「さすがだね。ここまでの深読みできるのはあんたくらいだよ」
「仕方ないじゃん。そうとしか考えられないんだもん」
だってこんなのある意味嫌がらせじゃん。
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