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一瞬なにを言うんだと思い芽衣の顔をみると目が今にも泣きそうに潤んでいた。
なんでこいつが目を潤ませてるんだ?そう思って理由をきこうとしすると
「大好きな人がいなくなったら凄く悲しいよ。でもそれを我慢したら
きっとおにいちゃんのお母さんも悲しむよ。泣きたい時に大きな声で
悲しいよって伝えてあげるの。でもね、泣きやんだらそれでもう終わり。
今度は、大丈夫だよ。頑張るよって笑顔を見せてあげるの。
そうしたらきっとお兄ちゃんのお母さんも安心して天国に行けるから
だから今はいっぱい泣いていいんだよ」
芽衣の言葉で俺の何かが切れて俺は泣いた。
声が枯れるまで泣きまくった。
一生分の涙が出たのではと思うほどだ。
芽衣は俺の横で手をギュッと握って俺が泣きやむまでそばにいてくれた。
翌日、葬儀が執り行われた。
昨日のように慌ただしく動き回っており芽衣とはあれから一度も話をしていない。
葬儀が終わると火葬に移った
これで本当に母とさよならだ。
だが俺は昨日思い切り泣いた。
だから今度は笑顔で
「かあさんありがとう。俺たちは大丈夫だから安心して天国に行ってくれ」
そう言って笑顔で母さんを送り出すことができた。
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