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母は写真の中の亮輔さんのお母さんに触れた。
「芽衣が生まれたときね、誰よりも喜んだのは綾さんだったのよ」
「え?」
「ここだけの話し、とにかく綾さんは女の子が欲しくてね。私が芽衣を産んだ時なんかそりゃ~~もう喜んで喜んで、子どもたちが大きくなったら亮輔君と芽衣を結婚させて親戚になろうって言ってたのよ」
母さんの目は少しうるんでた。
「綾さん……よかったね。冗談が本当になっちゃったよ。私たち本当に親戚になっちゃったね」
母さんの目から涙がこぼれていた。
母さんは昔からさばさばのあっけらかんとした性格でめったなことでは泣かない人だけに私は驚いていた。
「お母さん……」
母さんは涙を拭い、目の前の衣装箱を開けた
「お母さんこれって……もしかして」
箱の中にはウエディングドレスが入っていた。
「これは綾さんが結婚式にきていたものなの。綾さんは、芽衣が結婚する時これ着てほしいって言っててね。形見分けの時に私がいただいたの」
それはマーメイドラインのウエディングドレスだった。
「綾さんに見せたかった。」
母は涙を流しながら微笑んでいた。
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