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報告前に……
「本当にいいのか?」
「はい。もう決めましたから」
「でも心配だな」
「何言ってるんですか!こんな事も出来ない様では亮輔さんの彼女は
務まらないと……思いますので」
勢いよく言ったものの最後の方はだんだん声もちいさくなっていた。
実は二人で朝食を食べている時に私は亮輔さんに
自分たちが結婚を前提に付き合っている事を公表すると言った。
でも亮輔さんはあまりいい顔をしていない様だった。
「なんか俺心配だよ~。辞令が出てから一緒に報告した方がいいと思うけどな~~」
亮輔さん。あなたはわかっちゃいない。
亮輔さんがこの会社でどれだけの女性社員を虜にしているか……
そんな亮輔さんの彼女が私でしかも結婚しようとしているなんて知ったら……。
でもここまで来たら隠し通せないだろうし、5年間働いた会社をこそこそしながら辞めるのもなんとなく腑に落ちない。
だから、もし何か聞かれたら
「私が亮輔さんの彼女です」って言うと決めた。
だってあんな告白されちゃったらばれないようにこそこそなんて出来ないよー。
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