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緊張しているのが男性スタッフに伝わったのか、背中を押されるように席まで案内してくれた。
「それではお食事をご用意させていただきますが、お飲み物は?」
ど、どうしよう。
何を飲めばいいのかもわからない。水?そうじゃないよね。
ジュース?そうここは無難にジュースよね。
「ジューー」
「何でお前が接客なんだよ」
飲み物をオーダーしようと思ったら割り込むようにぶっきら棒な声が聞こえた。
声の主は課長だった。
驚いて顔を上げると不機嫌そうに男性スタッフを見ている。
その時一瞬課長と目が合った。
「あ、悪い。こいつ坂崎って行って俺のつれなんだ」
すると坂崎さんが満面の笑みを私に向けた。
「吉野さんはじめまして。亮輔の友達でここのオーナーの坂崎(さかざき)です。よろしくね」
爽やかさは変わりないがさっきよりとてもフランクに接してきた。
「よろしくお願いします」
「いや~こいつが初めて女の子連れてくるってきいてたからすごく楽しみにしてたんだけど、凄くかわいいこじゃん。どこで見つけたんだよ」
坂崎さんはニヤニヤしながら私と課長を交互に見た。
だが課長はあっち行けと言わんばかりに睨んでいる。
「どこだっていいじゃねーか。吉野はビール飲めるか?」
本来ならお見合いでいきなりビールなんてありえないからジュースにしようと思ったが正直言って、素面じゃ間が持たない。
それに課長が聞いてきたんだからと自分nに言い聞かせ、頷いた。
「じゃー生中2つ、大至急!」
なんか私が思っていたお見合いとは全く違うけど大丈夫かな?
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