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報告と指輪
翌日、私と亮輔さんは次長に結婚することを報告した。
「おめでとう!よかったな、原田。思いが通じたか~」
「おかげさまで」
え?それは?
「あ、あの?次長は私たちの事を……」
次長は立ち話もなんだからと社食の横の従業員用の喫茶店へと向かった。
「こいつの同期とかここの部署の男どもは知ってたよ。ま〜女性と違って男はあまりペラペラ喋らないからね。ばれたのは……あの時だったな?」
あの時というのは恐らく1回目の出向を断った時だろう。
次長はニヤリと笑うとアイスコーヒーを飲んだ。
「次長!もう彼女は知ってるからいいですって」
どうやら人に指摘されるのは嫌みたい。
「吉野ちゃん」
「はい」
急に名前を呼ばれて背筋を伸ばした。
「仕事を辞められるのは本当に残念だけど、原田のこと頼むな」
「はい」
「ところで結婚はいつするのんだ?海外赴任もあるし……」
そうだった。私結婚するって決めたけどそこから先のことなど何も決めていなかった。
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