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「え?」
「だから言いたいことはそれだけか?って聞いてるんだ」
質問を質問で返された私は口をポカンと開けたまま固まった。
「そ、そうですよ。だから返事を聞かせてください」
仕事でもこんな強い態度に出たことなどない。
明日からどうやって仕事をしたらいいのかな?
考えなきゃいけないことがぐちゃぐちゃになってる。それなのに課長は追い討ちをかけた。
「じゃあ芽依はどうしたいの?」
え?今、芽依って私のこと名前で読んだ?
ってそんなことより全く質問の返事になっていない。
「どうしたい。のではなく私が質問しているんです。答えてください」
これがお見合いなのだろうか?
でももうどうだっていい。
どうせ何かのカムフラージュに決まってる。
「亮輔」
「はい?」
またまた課長が質問と関係ない話、いや名前を言った。
「課長じゃなくて亮輔。今は完全なプライベートでお見合いの最中だ。仕事でもないのに課長はやめてくれ」
もしかして話をはぐらかされている?
「でも、課長の方が言いやすいですし……100歩譲って原田さんじゃダメですか?」
「だめ。名前で」
もう完全に脱線してる。
でも課長って少々頑固なところがある。このまま押し問答になりかねない。
ええい!1000歩譲って
「亮輔さん」
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