プロローグ

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そして全ては素敵な恋をするためにと高校進学は絶対共学で、制服が可愛い高校を狙った。 頭の中は常に、いろんなシチュエーションを思い描いていた。 入学式の時に運命的な出会いをする。相手はイケメン生徒会長? または、遅刻しそうになった私が近道したらちょっとやんちゃな感じのイケメン先輩とぶつかる? とにかくこの時の私の頭の中は勉強以外のことを考えていた。 でも現実は厳しかった。 共学も、可愛い制服もクリアしたが、入学式はというと普通に親と登校し誰とも運命的な出会いもなく淡々としたものだった。 ちなみにその時の生徒会長は女の子だったのでその時点でアウト。 やんちゃなイケメンな先輩もいなかった。 もちろん気になる人はいたよ。 だけど黙っていても恋人ができるシステムではなく、自分で動かなきゃ何も起こらない。 告白されるなんてことはよっぽどの美人かイケメンではない限りないってことを 16歳になるまでわかっていなかった。 今思えば穴があったら入りたいくらいだ。 高2になる頃にはさらに辛い現実が待っていた。 仲の良い友達に彼氏ができたのだ。 だからもしかしたら私にもチャンスが巡ってくるかもしれないなんて調子のいいことを考えてしまったが 誰も私に興味を示してくれなかった。 それは25歳になった今も変わらない。
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