私がお見合い?

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私がお見合い?

仕事から帰ってきて食事しているとスマホが鳴った。 相手は実家の母からだった。 兄が結婚して実家を2世帯住宅に建て替え流のを機に邪魔な私は自ら一人暮らしを始めた。 今年で3年目になる。 だけどたまにかかってくる母からの電話は苦手だ。 「女の一人暮らしは危険だから早くいい人見つけて結婚しなさい」は会話の中に絶対言われること。 今日もそんなことだろうと思い、居留守を使おうか迷ったが出なきゃ出ないでその理由を後で聞かれるので渋々電話に出たのだが、今日のは酷かった。 『芽依。あんたお見合いしなさい』 電話に出た途端「もしもし」もなくいきなりだった。 「ちょっといきなりお見合いって何よ。!私まだ25よ。結婚なんて……」 まだ早いと言おうとしたが、何か言えば2倍にも3倍にも返ってくるのでやめると母は私のことなど無視するかの様に話し出す. 『結婚なんてじゃないわよ。お相手の方はお父さんのお友達の息子さんなのよ。そんな肩っ苦しいお見合いじゃないし、相手の方は是非にって言ってるの。断ってもいいけど、会う前からお断りっていうのは相手に失礼だから、とにかく会うだけ会いなさい。 これはほぼほぼ命令で拒否権はないって感じだ。 『芽依……芽依?聞いてる?』 「……聞いてるよ」 『それで相手の方の写真と釣書を今日郵送したからね。絶対お見合いしてね。わかった?』 すでに郵送済みって完全に事後報告じゃない。 「母さん」 『何?』 「会ってからならお断りしてもいいんだね」 確認のために聞いてみた。 『そりゃ~会っても気に入らなければだけどね……でも断るかしら』 電話から聞こえる母の声がやけに含みのある言い方だった。 「断るかしらって・・・何よ!その言い方・・・なんかあるの?」 『ん?私が今より20歳若かったら即OKよ』 いやいや、好みなんて人それぞれ違うのでは?と思ったが余計なことは言わないでおこう。
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