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こんなこと漫画の中だけだと思ったけどリアルであるんだ。
メモだけで私の心臓はばくばくしていた。
課長は何食わぬ顔で仕事モードに切り替え仕事を始めた。
その後ぞろぞろと社員たちが出社してきたので私も気持ちを引き締めた。
外商へ伝票を届けに行く途中、階段の踊り場で誰もいないことを確認すると課長に言われたように
ワン切り、空メールを送った。
すると間もなくメールが届いた。もちろん課長から。
「仕事が終わったら裏通りのカフェ「オンブラージュ」で待ってて」
これって待ち合わせってやつ?
午後6時15分を少し過ぎた。
待ち合わせのカフェで課長を待つことかれこれ30分
カフェ・オンブラージュ・・フランス語で木陰という意味らしく
ナチュラル素材とグリーンをふんだんに使った店内は木陰という名にとてもマッチしていた。
テーブルに飾られているグリーンのアジサイもとても可愛くって
私はすっかり気に入ってしまった。
課長がここを待ち合わせにしたってことは、ここの常連さんなのかな?
帰り際に課長の姿を見たがまだ少しかかりそうな感じだったので、本屋に寄って大好きな作家の新刊を購入した。
そしていざ読もうかと思ったが、何だかそわそわしてしまい、小説の内容があまり入ってこない。
それにここは裏通りといっても会社の近くだからもし知ってる人に目撃されたらと思うと落ち着かない。
飲みかけのアイスコーヒーは解けた氷のせいでかなり水っぽくなってしまった。
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