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これは従うしかないな。
おどおどしなが手を差し出すと、逃がさないとばかりにがっしりと握った。
「わかったよ。たしかに俺は女性社員から物をもらった事もあるし交際を申し込まれたりもよくある。
その陰で芽依が嫌なお願いをされている事は知らなかったと言えば嘘になるしな」
え?知ってたの?
だったら助けてと思ったが、課長が私を助ければまた僻みややっかみが増えたかもしれない。
「芽依の言うように付き合ってる事は秘密にする。そのかわりこうやって2人で会うのも
警戒が必要になるよ。今は付き合い始めだからいいが、時間が経つにつれ今以上のストレスを感じる時がくるかもしれないがそれだけの覚悟が出来るのなら俺は徹底的に隠す」
亮輔さんの顔は真剣だった。
でもそれは逆に私には好都合だと思った。
私は隠す自信があるし、課長も秘密にしてくれるなら心配のタネも減るんだし……
「私は大丈夫です」
亮輔さんは私の返事にクスッと笑うと顔をあげ空を見上げた。
その表情は昨日とは違い凄く真剣で会社で見る課長と変わらなかった。
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