168人が本棚に入れています
本棚に追加
え?そ、それってまさか私のこと?
「それっていつ見たんですか?」
心臓がドキドキを通り越しバクバクしてる。
「えーっとね。たしか……1週間くらい前? なんじゃないかしら」
やっぱり……
ごめんなさい!それたぶんいや絶対私ですなんて言えるわけがない。
あれだけばれないように注意していたのにバレるとは……
もう・・・どうしよう。
「ーー野さん…吉野さん聞いてる?」
「あ!すみません」
「とにかく!課長が出張から帰ってきたらそれとなく聞いてくれない?」
「私がですか?」
「あなた以外誰がいるっていうの?」
ですよね?
本当に上からで自分の質問に答えて当たり前的なこの威圧感。
これだけどパワーをお持ちなら自分で聞けばいいのにと毎回思う。
「そんなにお聞きになりたけでば四宮さんが直接課長にお聞きになったらいかがですか?」
「わ、私がそんなこと聞ける訳ないじゃない。原田課長に嫌われたくないもの」
上から目線のくせにメンタル弱いんだよねこの人……
四宮さんは顔を真っ赤にして手に持ってたハンカチをくるくると巻いてはほどいてを繰り返している。
「……わかりました。でも期待しないで下さいよ。課長がプライベートな事を簡単に教えてくれるとは思えませんから」
四宮さんは私の返事を聞くと気分を良くしたのかくるっとまわれ右をしてそのまま出て行った。
最初のコメントを投稿しよう!