秘密って難しい

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翌日、出張から帰ってきた課長が出社した。 だが、しれにあわセテ会議や打ち合わせが入り会話といえば挨拶ぐらいだ。 本当は昨夜連絡しようと思ったが、疲れているだろうからと敢えて連絡しなかった。 もちろん、メールのやり取りはしたが、文面からも疲れているのがわかったから今日にでも 相談しようと思ったが、なんだか無理っぽい。 だが、総務からの帰りに運悪く四宮さんとすれ違った。 私を目で追い「例の件頼むわよ!」っていう圧を感じた。 適当に返せばいいのかもしれないが、後でそのことで大きな問題が起こってしまう可能性を考えると 下手なことは言えないのだ。 ふと時計を見ると午後1時を少し回った。 仕事が一区切ついたのでお昼休憩しようと私物袋を持って食堂へ向かった。 食堂は11時から2時までやってる。 仕事で何が楽しいかって言ったら食事しかない。 1時半を過ぎると人気のメニューが完売してることがあるので気持ちが焦る。 私はエレベーターが早く来ないかとそわそわしていた。 するとふいに肩を叩かれた。 「吉野さん今からお昼?」 振り向くと課長と小野寺(おのでら)主任だった。 小野寺主任は課長とは同期で最近結婚したばかりだ。 「はい。お二人もですか?」 「そう。もう~腹減って死にそうだよ。今までこいつとずーっと一緒に会議会議でさー2時からまた会議だよ。」 小野田主任、本当に疲れてそうな顔をして肩をがっくりと落としている。 「悪かったな。でも俺だって疲れてるだぞ」 ふてくされてながら喋る姿が何だかかわいらしく見えてしまった。
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