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【お疲れ様です。お話したい事があったけどお忙しそうなのでまた落ち着いたら¥電話します。無理しないように】
早番だった私は課長にメールを送ってから帰宅した。
いつもより早い晩御飯の後、入浴。
そしてお待ちかねのビール。
ゴクゴクと苦しくなるくらい流し込むよに飲む。
これがたまらないのだ。
1日の疲れもこれで吹っ飛ぶ……と言いたいところだが、四宮さんのことを課長に相談できなかったことが引っかかっている。
だけど、課長も忙しい人だからいつだったら相談できるのだろう。
そう思った時だった。
なんと課長からメールが届く。だがその文面に緊張が走った。
【お疲れ。今仕事が終わったんだけど、仙台のお土産渡したいし話もしたいし芽依に会いたいから芽依の部屋にいってもいい?】
いい?って心の準備も家に招き入れる準備など全くない。
それどころか今からテレビを見ながらゴロゴロするつもりだった。
ダメダメ。これはメールで返信する様な案件じゃない。
電話しかない!
『もしもし……芽依か?』
「はい。課長お疲れ様です。あの、メールの件ですが」
『あ?。今そっちに向かってる』
「む、向かってるって……いきなりは困ります」
あまりに当たり前的な言い方に私も語気を荒くしてしまった。でもそうでもしないと課長は本当に来てしまう。後悔なんてしてられなかった。
『そんなこと言われてもだな?会社じゃゆっくり話せないし、お土産の賞味期限が短いんだ』
だったらメールしてくれたら……と思ったが、言ったところでどうにかなるわけじゃないことを自分が一番知っている。
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