秘密って難しい

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「ちなみに今どこですか?」 『結構近いよ。あっ!白いアパートだろ?」 え?もうそんな近くまで来てるの? これじゃあ事後報告と変わらないじゃない。流石にここまで来て門前払いは失礼かもしれない。 だけどそんなこと悠長に感がている暇はない。 ビールを片付けて、パジャマではなく部屋着に変えなくちゃ。 「あ、あの。部屋を片付ける時間をください」 私は課長の返事を聞く前に電話を切った。 そして慌ててテーブルの上を片付け、服も着替えた。 お付き合いはじめて1週間ちょっと。 2人っきりで会うのは今日で2回目でまさかこんな展開が待っているなんて誰が想像しただろう。 落ち着け、落ち着くんだ芽依と自分に言い聞かせ、落ち着きなく狭い部屋の中をウロウロしていた。 しばらくするとチャイムが鳴った。 私は一度深呼吸をしてからインターフォンの受話器を取った。 「今開けます」 私は受話器を置くともう一度深呼吸をして玄関のドアを開けた。
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