落ち着かないのはあなたのせい?

4/9
前へ
/159ページ
次へ
「な、何するんですか?」 慌てて両手で耳をふさぐ。 顔はゆでダコの様に熱い。 「何って、黙っていれば名前を呼ばなくていいと思ってるんだろ?そんなのバレバレ」 う??やっぱりバレてたんだ。 「芽依」 またも耳元で囁かれた。息がかかり、全身がぞくぞくする。 「もう!耳元でささやかないでください!」 「じゃあ、黙ってないで呼んでみてよ」 「亮輔さん!」 これで文句はないでしょう!と言わんばかりに呼んだ。 だが……反応がない? 「亮輔……さん?」 「やっつけ感溢れてる。名前を呼ぶときはもっと愛情込めてこういうんだよ……芽依」 またしても耳元で囁かれた。 ここまでくると意地悪にしか思えない。 「もう耳はやめてください!」 「なんで?」 「くすぐったいんです」 「くすぐったいんだ・・・他には?・・・例えば全身がぞわそわーって・・・しない?」 なんでわかるの? わかっているならやめてほしい。悔しくて真っ赤な顔で亮輔さんを睨むとくすっと笑った。 「ごめんごめん。ちょっと意地悪しすぎたな。でも名前で呼ばないとペナルティーだからね」
/159ページ

最初のコメントを投稿しよう!

168人が本棚に入れています
本棚に追加