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「いただきます」
私は課長から暖かいブラックコーヒーを受け取った。
コーヒーは大好きだからうれしいが、もし課長のファンの女子に見られたらと思うとつい、きょろきょろと周りに誰かいないかを確認してしまう。
でもなんでこんなかっこいいのに彼女いないのだろう。
黙ってても女性が群がってきそうな漫画に出てきそうなキャラなのに……
私はコーヒーを飲みながらチラリと課長を見た。
そう言えば、私にはお見合いっていうクエストがあったんだった。
仕事中だがそのことを思い出し、気が重くなり隣に課長がいるにも関わらずため息を吐いてしまった。
「どうした?ため息なんかついて……やっぱり慣れない応援は大変か?」
「い、いえ……大丈夫です」
まさかお見合いで気が重いなんて言えるわけない。
そもそも課長には関係ない。
「そうか?随分重そうなため息だったぞ」
「だ、大丈夫です。仕事ではなく、プライベートな事なんで……ハハハ」
これ以上いたら余計なことを話しそうだから退散しようと残りのコーヒーを飲み干し立ち上がった。
だがなぜか課長が私の腕を掴んだ。
「あ、あの課長?」
「プライベートな事って何?例えば恋愛のこととか?」
え?私のプライベートが気になるの?
っていうか課長!顔……顔がなんかちょっと怖いんだけど私なんか怒らせるようなこと言った?
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