ふざけた関係

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「あ、あの、沖村くん? その、これはどういうことかな?」 担任は、俺ではなく真面目クンに説明を求めている。 「先生が、あの不良の面倒を見ろとおっしゃったではないですか」 「そ、そうだけど。だが、・・・縛り付けるのはどうだろうか」 「そうでもしないと逃げ出すのが目に見えています。そもそも、やり方に不満があるのなら俺に頼まずご自分でどうにかされたらいかがですか」 「そ、そうだね・・・。荒療治が効くことも、あるし、色々と試してみなさい」  結局は真面目クンに逆らう気は失せたらしい。自分にその役が戻ってくんのが相当嫌らしい。本当に、腐った野郎だ。苛ついて机をガン! と蹴りあげると、担任もそれから周りの生徒もビクッと体を震わせた。ただ一人、真面目クンを除いては。ほんとあいつ、何者なわけ。  それから昼まで。俺は縛り付けられたまま授業を受けさせられた。抵抗するのももう面倒になった俺は、いちいち教室に入ってくる教師がビビってんのを馬鹿馬鹿しく思いながらただボーッと時間を過ごした。  休み時間、俺の回りを避けるようにあちこちで固まって話をする生徒。名前も知らないやつらが俺にたいして何を言おうと別にどうでもいい。遠目にチラチラと視線を感じながらも、それにいちいち反応してやるのも面倒で放っておいた。
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