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「おとなしく授業を受けてたじゃないか」
「あぁ? 暴れんのも面倒だっただけだ。つぅか、マジぶっ飛ばすぞ」
「ぶっ飛ばされたら、俺は被害届を警察に届けるだけだ」
「はぁ? 学校に問題を起こさせるなとか言われてんじゃねぇの?」
「言われてるが、別に俺には関係ない」
なんなんだよ、こいつ。俺にビビんねぇし、別に教師の回しもんって感じでもねぇし。
「縄をはずしてやる」
「は? いいのかよ。速攻で逃げんぞ」
「いい。半日我慢したんだ。及第点だろ。あとは好きにしろ。だが明日もまたこれをもって迎えにいくからな」
真面目クンはそう言って俺から縄をはずした。自由になった体は少し凝り固まっていたが、体を動かすとそれは簡単にほぐれた。真面目クンは縄をもって自分の席に戻る。俺は、席をたち教室を出るため歩き出す。通りすぎる生徒がビクッと体を震わせ慌てたように道を開けた。俺は舌打ちをしながらそのまま教室を出た。
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