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「た、ただいま」
未だに慣れないんだこの挨拶。最初の頃は”おじゃまします”つってた。そしたら智子さんに、ただいまだって怒られて。それからただいまっていうようにしたけど、慣れなくていつもどもる。
「おじゃまします」
「おかえりなさい! 初めまして。琥太郎くんのお友だちね」
「はい。沖村拓海といいます」
「拓海くん。いらっしゃい。よく来てくれたわね。さあ入って」
明るく出迎えた智子さんは、とても張り切っているようだった。誰かを連れてきたのなんて初めてだったからかもしれない。ずっと、友達をつれてきてもいいんだと言われ続けてた。でも、つれてくる友達なんて滅多にいないし、沖村は沖村んちの方が誰もいないし。
でも、そうか。智子さんという人気のあるここの方が、絶倫野郎相手にはいいのかもしれない。
「あの、これ皆さんでどうぞ」
「まあ! お気遣いありがとう。夕食のあとのデザートでいただきましょうね」
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