夏休み

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「そしてなにより、琥太郎ーーお前がいる」 「お、れ」 「そうだ。こんなにも人を好きになれるということを、俺ははじめて知った。素晴らしいことだ。俺は、自分が得たものを大切にする。だから、お前も、大切にしろ」  なんだよ。ほんと、なんなんだよ。 「ずりぃ・・・・・・んで、そんなかっけぇんだよ」  納得いかなくて、モゴモゴと口ごもる。  沖村に聞き返されたけど慌ててなんでもねぇってごまかした。  ほんと、かっこよすぎる。ムカつくくらいに。  真面目眼鏡で顔なんか変わってねぇはずなのに。めちゃくちゃかっこよく見えんのはなんでだ。  くそ。俺なんか可愛いとか言われてんのに。ほんとずりぃ。 「ほんと、可愛いよお前は」 「ばっーーん」  囁くような声、反論しようとした唇を塞がれ一気に熱が集まる。
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