夏休み

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「二人とも! できたわよー!」  その時、扉の向こうから声が聞こえビクッと体を震わせた。クスクスと笑う沖村をキッと睨み付ける。 「いく!!」  慌てて返事をするとパタパタと足音は遠ざかっていった。 「この野郎、沖村!」 「はは、悪い悪い。でも、キスくらいいいだろ」 「よ、よくねぇよ、バカ」  ほんとこいつ、油断ならねぇ。  智子さんを待たせるわけにはいかないから、急いでリビングに向かう。美味しそうな匂いがたちこめていて、夕食はハンバーグだった。うまそう。 「ハンバーグにしてみたの。大丈夫?」 「はい。大好物です」  おおう。沖村の微笑み、貴重。  まじまじと見ていると、沖村に怪訝な顔で見られた。慌てて顔をそらして席につく。
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