1126人が本棚に入れています
本棚に追加
「二人とも! できたわよー!」
その時、扉の向こうから声が聞こえビクッと体を震わせた。クスクスと笑う沖村をキッと睨み付ける。
「いく!!」
慌てて返事をするとパタパタと足音は遠ざかっていった。
「この野郎、沖村!」
「はは、悪い悪い。でも、キスくらいいいだろ」
「よ、よくねぇよ、バカ」
ほんとこいつ、油断ならねぇ。
智子さんを待たせるわけにはいかないから、急いでリビングに向かう。美味しそうな匂いがたちこめていて、夕食はハンバーグだった。うまそう。
「ハンバーグにしてみたの。大丈夫?」
「はい。大好物です」
おおう。沖村の微笑み、貴重。
まじまじと見ていると、沖村に怪訝な顔で見られた。慌てて顔をそらして席につく。
最初のコメントを投稿しよう!