1121人が本棚に入れています
本棚に追加
/241ページ
「ディアーこたろーくーん、ハッピバースデートゥーユー!」
「「おめでとー!」」
盛大な拍手と笑顔。めっちゃはずいんだけど。
照れながらもろうそくを吹き消す。
「さ、食べましょう! お腹すいたでしょ?」
「あ、ああ」
「琥太郎くん、何が食べたい? とってあげるよ」
張り切ったようすの父さんが俺の手元の皿を奪う。キラキラした瞳で問われる。
仕方なく選んでいくと嬉々として盛り付けていく。母さんも嬉しそうににこにこしてる。
「明日は拓海くんと過ごすんでしょう。どこにいくの?」
「あー、特に話してねぇけど。普通に沖村んちじゃねぇの」
祝ってくれるみたいだし。・・・・・・これを二人でやんのか?
いや、でも今日一回経験したし。二回目だって大丈夫だ。
「ゆっくりしておいで」
「ああ」
二人は、俺たちを仲のいい友人と思ってる。別に隠し通したいわけではないけど、だからって大っぴらにできるもんでもないし。言うタイミングがうまくつかめないままと言うのが正解かもしれない。
二人からのプレゼントは専門に持っていけそうなリュック。形もいい感じで、きっと母さんのチョイスだろう。
こんな風に誰かに誕生日を祝ってもらって、プレゼントまでもらう日が来るなんてな。
最初のコメントを投稿しよう!