未来に向けて

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「一匹狼みたいに一人でこんなところにいて。色も、お前の前の髪色にそっくりだ」 「けっ、バカにしてんのか。・・・・・・じゃあ、あいつが沖村だな」  ふてくされたような気持ちになりながら指差した先には、赤い魚を気にするように近づいてみたり離れてみたり、しまいには赤い魚にちょっかいをかけ始めた小さな魚。 「はは、確かに。お前に構い始めた俺か」 「ーーじょ、冗談だよ!」  真面目に喜んでんじゃねぇよ。  真っ赤な顔に気づかれないように顔を背けながら先に進む。沖村もそんな俺に黙ってついてきた。 「琥太郎、イルカショーがあるみたいだ」 「見たいのか」 「そうだな、興味はある」  沖村が見ていた看板を見るとイルカショーは二時からだった。時計を見るとあと少しで始まるみたいだ。沖村が見たいのなら、別に見てやってもいい。  会場を確認し、そっち方面へ歩き出した。
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