プロローグ

5/5
前へ
/241ページ
次へ
「なぁ。二ノ宮知らないか? 学校に来てるかどうかもわからないんだ」 「え? 二ノ宮くん? ああ。登校してきてるのは見たよ。さっき、一限の途中で裏口から塀飛び越えて入ってくるの見えた」  眞白に聞くとそう返ってくる。初日から遅刻、そのままとんずらか。まぁ、学校にいるなら問題ない。探し出してとっちめてやる。 「そいつの顔とか、特徴とか知ってること教えろ」 「なにそれ、怖い」 「いいから、早く」  眞白から聞き出したのは、本当にさんざんな姿だった。  赤髪にピアス、気崩した制服。キリッとした顔つきで、いつも眉間にシワが寄っている。  赤髪ってだけで、十分わかるだろう。  待ってろよ、二ノ宮琥太郎。お前をしっかり躾直してやるからな。
/241ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1127人が本棚に入れています
本棚に追加