ふざけた関係

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ふざけた関係

『いい加減にしてくれ、学校もこれ以上お前を庇いきれない』  そう、担任に言われた。三年の担任らしい。別に庇っても要らないし、そもそも庇ってなんかくれてないだろ。ただ面倒を起こされたら学校が困るからだろ。評判が悪くなるのを恐れてるだけ。糞食らえ。  喧嘩してるときだけは自分でいられた。痛いのは好きじゃない。でも、むしゃくしゃして喧嘩をすればスッキリしたし、負けたことなんてなかった。そんなことばっかしてたら、回りにもそんなやつばっか集まってきて、息苦しくなった。  友達なんて要らねえぇし、生きてる意味もわからない。だったら、別になるようになればいいし、喧嘩してればなんとなくうまくいっていた。 誰にも理解されなくていい。わかってもらえなくてもいい。俺だって誰にも興味を抱かない。これまでも、これからも。それでいい。なのに。 「いってぇ! なんだよ!」  停学処分が開けた月曜日。進級して一度もいったことのない教室に朝から普通に入っていくのが面倒で。色々な視線とかコソコソ鬱陶しい声とかが面倒で屋上でサボっていた。本当は屋上に出るのは禁止されているが、そこに繋がる扉の鍵は壊れていて、簡単にはいることができる。  そこで、春の暖かな気候の中で若干の肌寒さを感じながらも極楽に目を閉じていた。眠れるかも、と思っていた矢先、突然寝転んだ俺の腹辺りを踏みつける足に飛び起きた。
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