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「そういうわけにはいかない。任されて、それを俺は承諾した。だから、それを簡単に投げ出すつもりはない」
「はっ、真面目かよ」
「真面目じゃない。普通だ」
どこがだよ。なんか、調子狂う。こういう感じのやつって普通、俺みたいなのを怖がっておどおどするもんじゃねぇの? 全くその欠片もねぇんだけど。度胸座ってるっつぅか。ほんと、調子狂う。
「停学明けそうそうサボるな。授業に出ろ。誠意をみせろ」
「ばっかじゃねぇの。そんな真面目になれんなら停学になんかなってねぇよ」
「ああそうだな。じゃなきゃ、そんなバカな赤髪にもなってないわな」
「なっ! てめぇ、バカにしたな!」
人の自慢の髪を。めっちゃ綺麗に染まったんだかんな。なかなか思った通りの色にならんくて、いきつけの美容院で何度もリテイクして。そのかいあってめっちゃお気に入りの色なんだかんな。バカにすんならぶっ飛ばすぞ。
「次の授業からは出ろ」
「は。やだし。てめぇのゆーことなんか聞くかよ」
「授業に出ろ。それがお前の本分だ」
真面目くさったことばっか言いやがって。てめぇになにがわかるよ。あの狭い箱のなかに俺の居場所はねぇ。別にほしくもねぇけどな。
仲良く手を取り合って勉学に励み、絆を深めていきましょーなんていううすら寒い青春ごっこに巻き込まれたくもない。
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