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「だから!やめてってば。気持ち悪い!」
後ろから、ふぅーフゥー 息を吹きかけるやつ。
何度も文句を言うのに……
振り返り睨みつけても
次は背中をつつつ……って、ゾクゾクっ
「ちょ、おいっ、いい加減にしてよ、亨!」
大声は出せない。
先生に叱られるのは私だから。
「いいじゃん、だから呼ばれたら素直にこっち向いてってば~、」
もうっ、本当にうるさい。邪魔くさい、めんどくさい!なんなわけ。こいつは、なんなのよ。
「わかったから。次からちゃんと向くから!もうやめて、あと、授業中に呼ばないで。」
「いいじゃん、あの先生だし、数学つまんないし、俺、おまえと話したいし。」
可愛いのかなんなのか。
イケメンだから許されると思うんじゃねーぞ?
誰もがお前に惚れると思うなよ、カッコイイけど。
その、耳にかかる息も、背中をなぞられるのも、ゾクゾクしちゃうのが嫌だから、亨 に呼ばれたらすぐに振り向く癖がついてしまった。
そんなイケメンと仲良くしていたら
まわりの女の子に、何を言われてるから、どう噂されてるか、なんて簡単に想像も出来るし
その一年は最悪で、いやその先も。
記憶に残る年だった。
ただでさえ少ない友達。
その一人が、亨 の事を好きだと言ってるし、それ以外にもそう言ってる子は沢山いるし、なのに亨 はお構い無しだし。
なんだよ、この感じは。
男も女も好きだ嫌いだ
めんどくさいな。
結局私に、好きだのなんだのはまだまだ早いのだ。
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