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中学生時代
そいつは、私の後ろの席で
やけに声をかけてくるし、ちょっかいをかけてくるやつだった。
「ねえ、ねえ、ねえってばよ!」
うるさいなぁ……
「ふぅっ、」
「ぅひゃっ!」
後ろの席から、短めのボブの私の襟足に息を吹きかけやがった!?
変な声出ちゃったじゃん!!
「あはっ、首の後ろ弱いの?」
やだ、
なんか、恥ずかしい。
つつつ……って、え?
今度は、鉛筆かなんかの後ろで背中をつつかれ、いや、なぞられてる。
ゾクゾクゾクゾクっ
「ちょっと!やめてよ。」
振り向けば、ニヒッと悪気のない笑顔で
「やっとこっち向いた~」
と、綺麗な顔で笑う。
クソ、イケメンめ!
何をしても許されると思うなよ、コノヤロウ。
好きだとか、嫌いだとか、愛だ恋だも
なんで首やら背中がゾクゾクするのかも
なーんにも知らない子どもだった。
それでも、イケメンはイケメン。
かっこいい男の子なんてのは見てわかるし、ドキドキもする。
そして、すごく、すっ ごく
苦手な部類だ。
男の子ってだけで、苦手なんだから。
いいもんね、
男の子とのあれやこれやなんか
私には必要ない、まだまだ早い。
女友達とさえうまくコミュニケーションとれないのに、男の子なんて、到底無理。
そんなのが
中学生になりたての私だった。
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