第1章:CLOVERの惨劇より

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1-②:オレ≠ポチ 「……!」  強烈な虚無感に襲いかかられた気がして、ゾワリと身震いをした瞬間目が覚めた。掛布団を掻き抱くようにして体を起こす。 「……」  その感情を与えた、顔も見たくなかった誰かがいるような気がして思わず辺りを見渡すが、誰もいない。あたたかな朝日がカーテンの開けられたベランダから入ってきていて、部屋はほっこりと温まっているはずなのに自分の周囲だけが温度が低いままな気がする。 「……またか」  呼吸を整えながら頭をがしがしと掻く。  ガキの頃から何度かこんな現象を経験している。いい加減慣れろよ自分、とため息交じりにつぶやくのは何度目だろうか。おそらく何か怖い夢を見ているはずなのだが、明晰な夢を見ていた後のように目覚めた後には何も覚えておらず、毎回得体のしれない怖さだけが残る。うんうんうなされている訳ではないが、わかる人にはあの夢を見ているというのがわかるらしい。その分かる相手と言えば、とうに死んだ親かあいつぐらい…。  コンコン     
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