第2章:何億分の1

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 主人の方へと近づけば、自身の一歩ごとにヒイヒイ悲鳴を上げて壁に背中を押し付けている。それは年頃のレディに対して失礼ですよ。バケモノじゃ無いんですから。 「まさか毒なんて。栄養バランスを考えてしっかりと作った正真正銘安全で、さらに愛情満点なお弁当です。」  ニコニコしながら言っているサアラ。しかし、セシルは世の終わりのような驚愕の表情のままだ。 「あ、愛情……お前がオレへ愛情たっぷり……あ、ありえない…きっと、アイジョウという名の毒をたっぷり満点に盛っているに違いない…。…いや、オレはまだきっと寝てるんだ。ああそうだそうに違いない…ほっぺをつねれば夢が覚め「なら遠慮なくつねります」いでええっでえええ、うぎゃああああ!」  盛大な叫びにラウルが飛んで来たのは言うまでもない。     
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