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「いっ、たあ…」 「ご、ごめん。大丈夫?」 180㎝の俺はふらついただけで、体勢を直すと彼女から目を逸らしたまま手を差し伸べた。 「はっ…ごめんなさいわたしこそ」 言って見上げた彼女と目が合った。 「……っ」 吸い込まれるように固まってしまった。 くりくりとした栗色の黒目勝ちの瞳。小さめの団子っ鼻なのに妙にアンバランスな幼い顔。 めちゃくちゃ可愛い。 「……あの?」 「あっ!ごめん。大丈夫!?」 声に我に返ると、差し出した手をズボンで拭き直して、出し直した。 手袋なのに、だ。 「変な人」 それを見てクスッと笑った顔に。 ―――撃ち抜かれた。
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