そして彼らは、名探偵になった。

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いつもは賑やかな通学路も、今日は誰もいなかった。 (もしかして、さっきのヤツみたいに・・・) 信じたくないことを考えてしまって、身震いをした。 いつもは警備員がいる警備室も、静かだった。 そして、今。 上履きを出そうとげた箱を開けると・・・ バレンタインに渡すだとか言うチョコレート・・・ではなく。 赤黒い指紋が付いた、真っ白な封筒。 「なんだ・・・コレ。」 嫌な予感しかしない。 そっと封を切ると・・・ 『この世界は呪われた。お前も??なりたくなかったら、二年三組に来い。』 お前も、の後は血で汚れて読めなかった。 (呪われたって、どういうことだよ!お前もって、まさかっ!) 待て待て、落ち着け。 俺らしくもなく動揺してしまい、自分に言い聞かせるように深呼吸をした。 (とりあえず、二年三組に行けばいいんだな。) 封筒を握りしめて、階段を上る。 教室に着くと、三十人ほどのはずのクラスには十数人しかいなかった。 「おう、お前もあの封筒入ってたのか?」 同じクラスの日高稜希も、ここに呼び出されていたらしい。 良く見てみると、三年の先輩、一年の後輩など、クラスも男女もバラバラだった。 女子は固まっているし、端の席でおびえている人もいる。 「おい、これ、どういうことだよ?」     
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