そして彼らは、名探偵になった。

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「わかんねぇ。けど、外出てみたら、誰もいなかった。」 小声で話し合っていると、 「ジジッ、ジー、ジッ。」 いきなりついたテレビから、小さな音がした。 「キャァ~ッ!」 一年生が抱きあいながら、悲鳴を上げた。 『レディース&ジェントルマン、ようこそお集まりいただきました。』 エフェクトのかかった低い声が聞こえた。 同時に、画面に?という文字が現れた。 「なんなんだよ!おまえ、誰だよ!」 三年生の佑月先輩が突っかかるように言う。 『おやおや、乱暴はやめていただきたい。怪しいものではありませんから。』 その人物は、少し笑みを含んだ声で言った。 『私は、君たちを助けたいと思っているだけですよ。外の様子を見たでしょう。』 外の様子を、というと、その場にいた全員が固まった。 『君たちは、この世界の純粋な生き残りなのです。君たち以外のものは、皆・・・あぁ。』 「なんだよ。言えよ。」 『皆、、、ドラキュラ、いえ、吸血鬼化したのです。』 さっきまでイライラしていた佑月先輩も、完全に固まった。 そうか、あれは吸血鬼だったのか・・・。 って、 「そんなこと、あるわけないだろ。」 俺が噛みつくように言うと、稜希も反論した。 「そうだよ。だいたい、なんでおれたちだけ残ってんだよ!!」     
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