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どうして自分は他の男娼のようにセックスに没頭できないのだろうか。
真の淫乱にはなれなくても、せめて客を満足させられる肉体を持っていなければ客からの指名がつかない。
客がつかなければ年季も返す事ができない。
年季の返済をしていかなければいつまでたっても鳥籠の中の鳥だ。
馴染みの客でもつけばいいのだが、アオキにはそんな客さえもいない。
アオキは深くため息を吐くと、張見世の格子越しに空を見上げた。
いつかこの淫花廓を出て、自由に振る舞える日なんて来るのだろうか?
自由になったところで特に何かしたいわけでもないのだが…
落ちこぼれ男娼の自分にはそんな日は到底来ないような気がした。
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