《第四章 蒼穹》

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《第四章 蒼穹》

Grow Old With Me はじめは筆談でよく洋子に語りかけた。とりとめもないことや好きな人はいないのかとか。洋子は、このまま会社人生を全うできればそれでいいと答えるだけだった。「啓子が困ったら笹岡さんに相談しなさいだって。社長の俺が部下の君に相談した方がいいって。最初の頃は君との関係を疑っていたけど今は一番頼りにしているようだ。直久はどうしようもないし、跡を任せられる器じゃない。一度変な流れが出来るとなかなか変えられないな。私にはやれることはもうない。かといって任せられる人も信用できる人もいない。今まで君のこと付き合わせてきたから、別な人生を生きたいならその方がいい。この会社に未来はない。退職金も払うからどうか考えてくれないか。」洋子はしばらく黙っていた。「社長が退任されるか会社がなくなる時まで、見守らせてください。これからどんなことが起きても全て受け入れるつもりです。これが私の人生です。」はじめは不自由な体であっ     
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